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2015年6月5日

訪日外国人旅行者集客について押さえておくべき10のポイント

訪日外国人集客のための10のポイント

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決まり、日本政府は2020年の訪日外国人旅行者2,000万人を目標とし観光立国へ向けての取り組みを進めています。近年の円安傾向、富士山や日本食の世界遺産登録、クールジャパンに代表される海外からの日本への関心の高まりも訪日外国人旅行者の増加に追い風となっています。

東京オリンピック・パラリンピック開催時のみならず、開催後も訪日外国人旅行者の集客効果につながる10のポイントをご紹介します。

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1.SNSを積極活用し利用客に口コミ情報を配信してもらおう。

今日のインターネット時代、SNSを通じた口コミは非常に大きな効果があります。平成24年度の訪日外国人旅行者への調査で、滞在中のインターネット利用目的はSNSが42.2%と最も多く、平成21年度調査の3.0%から大きく伸びました*1。日本人がよいと思うものを一方的に発信するのではなく、実際に訪日外国人旅行者が利用した飲食店やホテルのよさを写真やコメントを添えて配信してもらうことで、口コミで情報が広がり集客の向上につながります。

カリフォルニア大学バークレー校の2人の教授の調査で、アメリカで人気のSNS機能を持つ口コミ情報サイトYelp上の5段階の星評価で、わずか星半分の評価が上がるだけで、ピーク時(夜7時)のレストランの予約が19%増加することがわかりました。
このことからも、SNSの口コミ効果が大きいことがわかります。

 

2.SNSのレビュー(評価)を検証し集客向上につなげよう。

利用客からの本音を聞けるのもSNSならではの特長のひとつです。なかにはよい評価ばかりではなく、わるい評価もあるのが実情です。わるい評価をそのまま見過ごしてしまっていては集客のチャンスを逃すばかりです。耳の痛い意見には成功につながるヒントが隠れているものです。こうした評価をサービスの改善やプロモーション活動につなげることが利用客を増やすポイントです。

ロンドンのホテルグループのひとつである4Cホテルグループは、FacebookやTwitterのレビューを集積するシステムを導入し、わるい評価に対しては原因を分析し改善を行った結果、ロンドンオリンピック開催前の半年で、ウェブ予約が約5%増加し、TripAdvisorの評価が30ポイントもアップしました。

 

3.無料Wi-Fiを設置して利用客の利便性を高めよう。

外国人旅行者が、訪日の際にインターネット端末を持参し、滞在中に実際に利用した割合が90%もありました。インターネット接続手段は無料Wi-Fiが87.3%と、最も多い数字でした*1
渡航前にすべてをスケジューリングせず、滞在中に飲食店、ホテルの情報を収集しているケースも多く、SNSなどに投稿された口コミ情報をもとに利用先を決めている状況が窺えます。そのため、ネット接続環境を整えることが集客ポイントのひとつといえるでしょう。

アメリカのハンバーガーチェーンWendy’sは、利用客がお店に足を運ぶための工夫のひとつとして、店内の内装リフォームとともにWi-Fiの設置を行いました。その結果、デリバリー客の増加率が14%であったのに対し、店内飲食利用客は43%増となりました。利便性を高めることで、利用者が実際に足を運びたくなるお店、宿泊施設をつくり、集客につなげましょう。

 

4.共用ネット接続端末も設置し、さらに利用客の利便性を高めよう。

90%の訪日外国人旅行者がインターネット端末を持参している一方で、端末を持参していない外国人旅行者も存在します。その場合、宿泊先共有PCの利用者は69.8%、ネットカフェの利用者が30.2%もいました*1。利用者のさらなる利便性を高めるうえでも共有ネット端末の設置をお勧めします。

インターネットカフェや漫画喫茶でネット端末は利用することができます。
しかし、これらのお店を見つけようとしても駅の周辺に集中していることが多く、街中で見つけることが難しい場合が多くあります。そんな時、共有ネット端末が使える飲食店やホテルは強い味方となります。ネット端末を持参していない、あるいは、充電がなくなり自身のネット端末を使用できないといった外国人旅行者のかけこみ寺となるでしょう。

 

5.外国人向け旅行系ポータルサイトへ掲載し訪日外国人旅行者への認知度を高めよう。

宿泊の予約手段で、最も多かったのが宿泊予約サイトの58.0%で、ガイドブックも33.8%と顕在でした。宿泊先の決定参考媒体も宿泊予約サイトが最も多い66.4%でした*1
また、外国人旅行者からは「英語で検索できる飲食店、ホテル情報が少ない」という声も多く聞かれました。外国人向けポータルサイトへ積極的に掲載を行うことが利用者増加のポイントといえます。

利用の多いサイトは、Booking.com/TripAdvisor/Agoda/Hotels.com/Expedia/Hostelworld/JAPANiCAN.comなどで、ガイドブックでは、Lonely Planet/Rough Guides/Frommer’s/Guide du Routardなどがあげられます。
現在、日本にある飲食店の検索サイトは、英語が主流ではあるものの、多言語で閲覧できるものも少なからず存在します。TripAdvisorをはじめとして、東京レストランサーチでは多言語で閲覧ができます。ぐるなびでも英語、中国語(繁体字、簡体字)、韓国語、タイ語で閲覧でき、bento.comは英語で検索できます。このようなサイトに掲載し外国人旅行者の目に触れる機会を増やしましょう。

*1 出所:日本政府観光局(JNTO)「平成24年度 TIC利用外国人旅行者 調査報告書」

6.ディスプレイやテレビを設置してリアルタイムでオリンピックを楽しんでもらおう。

はるばる日本までやって来たのだから、観戦チケットの購入ができなかった試合をリアルタイムで視聴したいと思う外国人旅行者は多数いることでしょう。
ロンドンオリンピックでもパブリックビューイング会場やオリンピックを観戦できる飲食店は多くの人でにぎわいました。また、日本でもオリンピックの際、パブリックビューイングを行うホテルが増えてきました。気軽に楽しみ、また来たいと思ってもらうことで、リピート集客につなげることもできます。

2002年の日韓ワールドカップ開催時、元サッカー選手の中田英寿さんが主催のnakata.net.caféが話題を呼びました。ネット利用を含め、パブリックビューイングができることもあり、過去2回の開催で述べ30万人を集客しました。

 

7.言葉の壁を取り除いて受け入れ態勢を整えよう。

訪日外国人にとって「英語が通じない」、「英語のメニューが少ない」という不満はいつも上位に上がり、日本に対するネガティブなイメージで「言語障壁」が2位となっています*2
旅先のホテルや飲食店で母国語が通じると、旅行者は安心するものです。日本人である私たちも海外旅行の際は事前に日本語スタッフの有無を確認し、現地では日本人向けフリーペーパーなどでレストラン情報を入手することは多いと思います。言葉の壁を取り除くことは外国人旅行者を集客する上で欠かせない要素です。

政府は2020年に訪日外国人旅行者2,000万人の目標達成へむけて、翻訳アプリなどの多言語音声翻訳システムを高度化していく計画を発表しました。現在、飲食店を対象にITを使いメニューを自動翻訳し、翻訳されたメニューをiPadで見ながら各テーブルで注文ができるサービスも開発されており、外国語スタッフを常駐させることのできないホテルでは、テレビ電話システムを使った通訳サービスを利用していることもあります。こうしたサービスを活用するのもひとつの方法といえます。

*2 出所:一般社団法人 日本旅行業協会 「ビジネスに活用できるインバウンドデータ一覧(7-2.訪日前後の日本の否定的なイメージの比較)」

8.現金以外の決済手段を導入し旅行者の手間を省こう。

訪日外国人が日本に来て不便と感じる点について、ATMが見つけにくいという声も多くありました。そのため、両替の手間がかかる現金以外のカード決済ができることも利用者の利便性の向上につながります。また、日本でも利用者の拡大を見せている電子マネーで決済ができることも訪日外国人の利便性の向上につながるでしょう。

イギリス政府観光庁の調査によると、2012年のロンドンオリンピック開催期間中に1回のカード使用で支払われる平均金額が最も多かったのは中国人観光客で、その平均金額は203.04ポンドでした。老舗デパートのジョン・ルイスでは同期間中の中国人観光客の消費総額が前年同月比で28%増加しました。その要因としては、デパートなどの多くの商業施設で、中国のデビットカード「銀聯カード」を使用できたことがあげられます。

 

9.宗教や文化に配慮した受け入れ態勢を整えよう。

ロンドンオリンピックの際は、五輪開催期間とイスラム教のラマダン(断食月)が重なり、イスラム教徒への対応も注目を集めました。選手村では食堂を24時間営業にして日没から夜明けまで選手たちがハラール食を食べることができるように配慮し、街中のレストランでもハラール食を提供するお店が増えました。ハラール対応に限ったことではありませんが、多種多様な宗教や文化に対して、受け入れ環境を整備することは利用客の増加につながります。

2013年に訪日イスラム教徒は約30万人を超え、今後さらなる増加が期待されます。ホテルグランビア京都では、「お祈り用のコンパス、カーペット、コーラン」の3点セットを揃え、関西国際空港内では、ハラール認証を所得した、ざ・U-donをはじめ、ハラール認証を所得しないまでも、16店舗の飲食店でポークフリー、アルコールフリーメニューを提供し、順調に客足を伸ばしています。

 

10.「日本らしさ」と他にはない付加価値を生み出し集客につなげよう。

訪日外国人旅行者が日本に求めるものは、素朴な「日本らしさ」です。それは、接客や食文化など様々です。また、他のお店やホテルにはないよさを提供することで魅力をアピールすることができます。ぜひ、「日本らしさ」を忘れず、他社との差別化を図り付加価値をつけることで集客につなげましょう。

差別化というと難しく思えるかもしれませんが、ほんの少しのことでよいのです。 たとえば、レストランの場合、日本産の食材にこだわってみるのもよいですし、BYO(お酒持ち込み可)を行ってもよいでしょう。ホテルの場合は和太鼓のショーをロビーで行う、ソファーやベッドを大柄な外国人用に揃えるなど、外国人観光客が滞在を楽しみ、また来たいと思えるような手助けをする気持ちを持つことが何よりも大切です。

 

関連リンク:来日外国人客数把握調査(外国人観光客、訪日外国人客)

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