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2016年1月29日

ユーザビリティテスト 8の手法

ユーザビリティテストはデザインの問題や障害を見つけ出すための技術ですが、それには様々な目標に適した様々な手法がいくつかあります。ここではその内、8つの手法をご紹介します。ユーザビリティテストの手法を大きく括ると台本のあるテストと無いテストがありますが、ここに紹介するのは8つの手法はそれらを最大限に活用するものです。

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台本のあるテスト(ツリーテスト、ユーザビリティ・ベンチマーク・テスト、ホールウェイ・ユーザビリティテスト)はユーザーが特定の機能を見つける(アクセスする)ことができるか、またはそれにはどの位時間がかかるかなどの特定の使用状況をテストするのに最もお勧めの手法ですが、台本があるテストについて語る前に、まずは進行係を付けるか付けないかという重要な選択についてお話します。

 

進行係有り vs. 進行係無し

ユーザビリティテストへのガイド(The Guide to Usability Testing)によると、進行係を付けるか否かはあなたの明確な目標と何を達成したいのかによって決まります。例えば進行係が進行することでテストがスムーズに進みますが、一方では彼らの存在はただ邪魔で余計な経費がかかるという場合もあります。

 

進行係有りのテスト

進行係有りの調査は進行係の人材や作業時間、特定の場所などを要しますが、その見返りは大きいです。進行係は被験者がテストでより深く掘り下げていく手助けをすることにより、より詳しいデータの作成を可能にするだけでなく、ユーザーが脱線したり、戸惑ったりしないようにサポーします。また、大事なデータとなるユーザーの反応や身振り手振りさえもそこに誰かがいて、記録したり、解釈をしたりしなければ得ることもできません。

 

進行係無しのテスト

進行係有りのテストでは意見のやりとりが即時に出来る一方で、進行係無しのテストではユーザーに製品を使ってもらう以外に何も出来ませんが、そのメリットは下記で紹介します。

・時間の節約-何百人もの被験者が同時参加や複数の製品を一度にテストが可能。
・製品のより自然な使用-遠隔のユーザビリティテストでは被験者が普段の環境の中でテストを行うため、現実に近い状況で製品を使用が可能。
・コストの節約-進行係や機材の設定などが不要なため、比較的低いコストで実施が可能。UserTestingやUserlyticsなどのテストツール使用で被験者に付き49ドルで実施が可能。
・簡単な調整-考えるべきはテストのコスト、払い戻しのコスト、そしてユーザーのスケジュールのみ。

 

1 ツリーテスト

ツリーテストは視覚要素をストリッピングすることで情報設計のテストが出来るというものであり、調査の対象はコンテンツのラベリングのみです。ツリーテストでは被験者にクリッカブルなサイトマップ(またはツリー)から情報を探してもらうタスクを与えます。
Treejack(https://www.optimalworkshop.com/treejack.htm)のようなユーザビリティテストツールを使い、タスクの成功(正しい目的地をクリック)とタスクの直接性(ユーザーが必要とするものをちゃんと探せたか)を記録します。これにより、あなたの情報設計の効率性と明確さが分かります。

 

2 ユーザビリティ・ベンチマーク・テスト

ユーザビリティ・ベンチマーク・テストは名前の通り全体の使いやすさとタスク達成の成功率についてのハイレベルなレポートを指します。
このタイプのテストを実施するにはいくつかの要因を考慮する必要があります。
Nadyne Richmondは下記にベンチマークテストを考えるにあたり、5つのアドバイスを挙げています。

1.製品全体の中で最も重要なタスクを選ぶ-特定の箇所ではなく、全体のユーザビリティを測るのがベンチマーク。
2.スタンダードな測定基準(成功率、達成時間、エラー率、満足度評価)
3.ユーザーを邪魔しない-彼らが終了するまで待ってから質問をする。
4.評価対象となる被験者を使う
5.多くの被験者を使う-被験者の数が多ければ多いほど、エラーのマージンは減り、より正確な意見を得られます。

ユーザビリティ・ベンチマーク・テストは他のユーザビリティテストというよりはあなたの製品のユーザビリティのダッシュボードと考えてください。

 

3 ホールウェイ・ユーザビリティテスト

ホールウェイ・ユーザビリティテストは最も小さいテストであり、予算がタイトであったり、あまりユーザビリティに予算をかけたくない場合に適しています。
(対象ユーザーの中から)少数をランダムに選ぶことで十分量のユーザビリティの目的に値するデータを得ることが出来ます。

例えば、公の場に行き(カフェなど)誰かが来たらシステムを試してもらいます。お礼も用意してもいいでしょう。指示を与えて観察し、記録をとります。5人いればデータは十分とれます。

ホールウェイ・ユーザビリティテストはその簡易さ、安さ、低リソース、そしてアウトプットが高いということで人気のテスト方法であり、特定な、または複雑な問題を改善するにはお勧めしないテスト方法ですが、何かシンプルで簡単なものを求めている場合に適したテストです。

次に、台本なしのテスト(A/Bテスト、ファストクリックテスト、現地調査、日誌調査、アイトラッキング&ヒート・マッピング)を紹介します。台本なしのテスト=ナチュラルテストとは製品を自然に使ってもらうために、普段(自然)の環境の中で製品の様子を見ることが出来る調査です。このテスト方法は出来るだけ入らないようにしたもので、ユーザーが自分の意思でどのように動くかを観察したい場合に適しています。

 

4 A/Bテスト

A/Bテストでは、様々なグループの被験者たちが2つまたは複数の種類の要素を与えられます。ほとんどは特定のレイアウト、配置、メッセージがより良い転換をもたらすかどうかをテストするものですが、ユーザーに対するタスクの提供や教示がないために、ナチュラルテストに分類されます。

ここに、A/Bテストをしたウェブサイト要素の実例を幾つかご紹介します。

・ヘッドライン-このA/Bテストではヘッドラインが1行の方が長いものよりも申し込み率が38%上がったことが分かった。
・フォーム-「Mad Libs」というユニークなスタイルのフォームフィールドが25-40%の変換率を上げたことが証明された。*1
・料金とプロモーション-別のA/Bテストでは「無料」とはっきり表示されることで申し込み変換率が28%に上がった。*2

などがあります。

A/Bテストに適したテストツールにはOptimizely *3 やUnbounce *4 などがあり、A/Bテストの開始しやすくしてくれます。

*1 出所:http://www.lukew.com/ff/entry.asp?1007
*2 出所:https://vwo.com/blog/ab-test-case-study-how-two-magical-words-increased-conversion-rate-by-28/
*3 出所:Optimizely
*4 出所:Unbounce

 

5 ファーストクリックテスト

2000年後半にUXデザイナーであり、調査者のBob Bailey博士が「ファーストクリック」というコンセプトの調査を継続して実施し、素晴らしい結果を出すとともに、このテストがウェブサイトの改善を求める誰にとっても非常にメリットがあるものだということが分かりました。結果としてはどんなタスクであれ、ユーザーのファーストクリックが正しければユーザの成功率は87%であり、もし彼らのファーストクリックが間違っていれば成功率は50%を下回ることが分かりました。

このテストではユーザーはタスクを与えられますが、通常進行係は不在で、ユーザーは自宅で遠隔でテストを実施するため、「自然体に近い」テストと考えられます。
テスト自体はシンプルであり、ユーザーにスクリーンショットとタスクを与え、彼らのファーストクリックを記録する、Potimal WorkshopのChalkmark *5 のようなオンライン・テストツールを使って実施されます。

ファーストクリックテストは出来上がったウェブサイトや機能的なプロトタイプ、またはワイヤーフレーム上でも実施可能です。

*5 出所:Chalkmark

 

6 現地調査

現地調査では、ユーザーたちをユーザーたちの環境で観察することでデータを得ることができるものです。
The Guide to Usability Testingの第4章では現場調査の主なメリットを3つ挙げています。

1.リアルユーザーの普段の行動を見ることができる - インタビューでは普段の行動を説明するのが難しいが、現場調査は説明抜きで行動を観察することができる。
2.意思決定に対する前後関係や状況を理解できる - ユーザーさえも気がつかない、時間などの外的因子が彼らの意思決定に影響するかを理解することができる。
3.競合他社(競争相手)を確認できる - ユーザーが異なる製品を使うことで、類似点や異なる点を見つけ、自分のデータを大幅に改善することができる。

この調査の大きなマイナス点は予算と時間(数週間から数ヶ月かかることも)です。
しかしながらUser Interface Engineeringの創設者であるJared M, Spoolはユーザビリティテストによって貴重な洞察を得られる一方で、ツールボックスの中で最もパワフルなツールが現地調査だと言います。*6

*6 出所:http://www.uie.com/articles/field_studies/

 

7 日誌調査

ユーザーの普段の環境にあまり立ち入らない調査が日誌調査です。この調査ではある製品やシステムへの体験についての日誌を書くようにユーザーに依頼します。日誌調査では、ユーザーの体験に影響する彼らの期待、考え方、気分、そして社会的関係を知ることができます。

ただし、被験者の質、トレーニングセッションの有無、分析にかかる時間などの障害もあります。
それでも日誌は厳密な調査をするのに最適であり、ユーザビリティテストで明かされる「何が悪かったのか」という見方を超えた結果を得ることができます。

 

8 アイトラッキング(視標追跡)&ヒート・マッピング

日誌や現場調査より製品が普段の生活でなぜ、どのように使われているかを知ることが出来る一方で、アイトラッキングではほぼ微細的にそれらを知ることができます。
アイトラッキングはその名前の通り、ユーザーがどこを見ているかなど目の動きを追うものです。こちらはハードウェアが目の動きを捉えるためにラボなどの環境の下で実施されますが、一方でヒート・マッピングはCrazyEgg *7 などのソフトウェアを使って、どこでユーザーがクリックしたかを遠隔で調査します。

StoryHackersの共同創設者であるRitika Puriがこれまでにアイトラッキングで分かった大切な教訓を語っています。

1.ユーザーは予測可能-アイトラッキングのパターンが分かってくる。
2.目的によってページの検索方法が違う-例えば閲覧と検索ではユーザーの目の動きのパターンが違う。
3.ユーザーはビジュアルに引かれる-サムネイルや鮮やかな色はテキストよりも彼らの目を引くので、うまく使いましょう。
4.宣伝は無視される-人は習慣的に宣伝を無視するので、宣伝を作る側は頑張る必要がある。
5.目新しい製品は戸惑いを生む-リンクの色やメニューの配置にクリエイティブな要素を入れることで、他との違いが出るが、ユーザーが戸惑ったり、使用に時間がかかったりするリスクを生む。

*7 出所:CrazyEgg

 

まとめ

ここに挙げたのはまだ一例ですが、目的によって様々なユーザーテストが存在します。それぞれのテスト(手法)にはそれぞれのメリットとデメリットがありますが、それを混ぜてあなたに適した結果を得るのも良い方法です。ユーザビリティテストを実施する際に、その予算や時間によって実施可能なテストは様々ですが、まず何を得たいのかを理解した上で被験者を確保し、テストを始めましょう。

 

参照資料:
A guide to User Testing (http://thenextweb.com/creativity/2015/04/27/user-testing-explained/
Part Two of Our Guide to User Testing (http://thenextweb.com/dd/2015/04/28/user-testing-explained-part-two/)

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