• グローバルサイト

2016年10月7日

グローバルサイトの最適化のポイント(2):ターゲットの選定

前回、グローバルサイト構築のためには、サイトの目的とターゲットの明確化が必要不可欠ということをお伝えしました。今回は「ターゲット」をどんな方法で絞り込むのかについて、もう少し具体的にみていきたいと思います。

続きを読む

ターゲット選定の基準

サイトのターゲット選定の際には様々な基準があります。

 

例えば、企業のブランディングを目的としたコーポレートサイトの場合は、場所(地域)・人という軸でターゲットを絞り込んでいくことが考えられます。

 

● 場所:Webマーケティング上の重点地域はどこか?

● 人:商品、サービスの対象顧客は誰か?

 

場所:Webマーケティング上の重要地域は?

Webサイトを通じた海外へのマーケティングをする上で、ターゲット地域の特定は重要なポイントです。特に、人口、言語、インターネット環境・普及率、企業の事業拠点などの基本情報を基にその下地があるかを確認することが必要です。

 

加えて、ターゲット候補国の以下のような点についても調査しておくと効果的なWeb マーケティングが期待できます。

 

・検索の特徴

・検索キーワード

・よく使用される検索エンジン、ポータルサイト

・当該国(地域)における効果的なWebマーケティング手法

・社内における当該国(地域)ネイティブスタッフの有無 など

 

定性調査・定量調査の重要性

現在、多くの企業ではGoogle Analytics(以下、GA) などの分析ツールを使ってアクセス解析をされているのではないでしょうか。ここでは、アクセス解析に加えて定性調査・定量調査の重要性についてお伝えします。まずは、参考事例をひとつみてみましょう。

 

===========================================================

<参考例>

インテリア商品を販売するA社は、自社のECサイトを運営しています。現在運用中のサイトは日本語と英語で、GAを導入し、効果測定を行なっています。

 

この度、海外販路拡大を検討するため、アクセス解析を行なったところ、北欧3ヶ国(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー)とドイツからの流入数が多いことがわかりました。可能であれば、すべての国に対応可能な言語でサイトを追加したいところですが、予算の都合上、まずは上記4ヶ国のうち最も優先順位の高い1ヶ国に絞る必要があり、現地での定量調査を行うことにしました。

 

A社の主力商品でもある食器B を各現地ユーザー30 名ずつに家庭で1週間使用してもらい、その使用感を後日グループインタビューをすることにしました。その結果、デンマークからの高評価コメントが多く、A社では、まずデンマーク向けのサイトを新たに構築する方針となりました。

 

注)想定事例を分かりやすい内容に改編してご紹介しています。

===========================================================

いかがでしょうか。

 

このように、アクセス解析でまずは概要を把握し、ホームユーステスト(注1)やグループインタビューで得た結果を、アクセス解析データの裏付けとして実施することがあります。これらの調査を行う主なメリットとしては、以下のような点ではないでしょうか。

 

・アクセス解析上の数値からは見えなかった現状を発見できる

・すでにある数値から立てられる仮説を裏づけることができる

・ターゲットのより詳細な情報が入手できる

・サイト構築にかかる膨大な費用を投資する前のリスク回避につながる

 

など

 

上記のような理由から、アクセス解析だけでなく定性調査・定量調査も実施し、より確度の高いターゲット設定を行なうことをお勧めします。

 

人:商品、サービスの対象顧客は誰か?

ペルソナ設定:より明確なターゲット選定のために

上記のような基準で、ターゲットの場所を掴んだら、次に、ターゲットとなる「人」をより詳細に決定していきます。ペルソナを是非設定してみましょう。

 

ペルソナとは?

ペルソナに関する代表的書籍の一つでもある『ペルソナ戦略』の著者、ジョンS.プルーイット、タマラ・アドリンによる定義を以下に引用します。

 

「ペルソナ」は、実在する人々についての明確で具体的なデータをもとに作り上げられた架空の人物であり、ユーザーが本当に使いたいと感じる製品の実現をサポートするためのツールであり、手法である。

ペルソナのメリット

ペルソナは、顧客設定の手法として業界問わず様々な分野で使用されていますが、特に、Web マーケティングにおいてペルソナが有効な理由としては以下の理由が考えられます(『Web ディレクション標準スキル』、 2012)。

 

● ターゲットの心理を把握できる

ターゲットのライフスタイルや価値観、モノの考え方などのデータを規定しておくことで、彼らのニーズとその行動理由が見えてきます。

 

● コンテンツの精度を向上できる

より典型的なターゲット像であるペルソナにあわせてコンテンツを用意できるため、ターゲットニーズにもっともマッチする体験を提供することができます。

 

● 制作、運用スタッフ、クライアント企業の担当者間での制作クオリティが向上する

ペルソナを設定することで、関係者の属人的なイメージや意見ではなく、ペルソナの思考やニーズに基づいての判断が可能となり、結果として、プロジェクト全体のブレの解消や全体の品質向上が期待できます。特に、コンテンツの企画や、UI(ユーザーインターフェース)の刷新の際には、ペルソナはプロジェクト関係者間の「よりどころ」となるでしょう。

 

ペルソナ設定は、まずユーザーを知ることから

より客観的なペルソナ設定のための第一歩は、ターゲット分析です。

 

ここでも、インタビューやアンケートなどの定量調査を通じて、ターゲットをサンプリングし、数名に対してグループインタビューを行うことをお勧めします。

 

アンケートやインタビューでは、一般的に以下のような情報を収集して、ターゲットのプロファイルを作り上げていきます。

 

<プロファイル情報例>

・名前

・年齢

・性別

・居住地

・職業

・年収

・家族構成

・趣味

・PC、スマホ、タブレットなどの利用状況(使用頻度や使用目的)

など

 

必要に応じて、複数のペルソナを設定することもありますが、多くても2つか3つまでといわれています。

 

ちなみに、作成したペルソナは、どのようにしてコンテンツに盛り込んでいくのでしょうか?一例として、ペルソナ・カスタマ・エクスペリエンス協会が紹介している事例を記載します。

 

富士通 / 富士通キッズ

 

逆に、客観的なデータが得られず、想像・仮説だけでペルソナを設定してしまうと、その後の運用が迷走してしまうので、注意が必要です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

ターゲット設定の方法について述べましたが、重要な点はグローバルサイト最適化のためには、場所・人の観点からより正確なターゲット像を把握することです。そして、運用開始後、効果が見られないようであれば定期的にターゲット像を見返し、PDCAを繰り返すような取り組みも必要といえるでしょう。

 

次回は、海外向けサイトSEO・SEMの内部施策についてご紹介します。

 

出典:

・『ペルソナ戦略 -マーケティング、製品開発、デザインを顧客志向にする』ジョン・S・プルーイット、ダイヤモンド社、2007年.

 

・『WEBディレクション標準スキル152』日本WEBデザイナーズ協会(編)、 アスキー・メディアワークス、2012年

 

・ペルソナ・カスタマ・エクスペリエンス学会.

http://www.personadesign.net/personacase/case_3.html (2016-9-29)

 

注釈:

1.ホームユーステスト:一定の期間を設け、実際に製品を家庭で使用してもらい、その評価を調査する方法

記事をたたむ

  • 最新記事
  • あなたにおすすめの記事
人気のある記事 について
グローバルサイトや多言語サイトの 運用に役立つ情報を配信しています。 大勢の外国人観光客が日本に 「来て見る」ヒントを創るメディア サイトを目指します。

キテミルの更新情報を、あなたのメールアドレスにお届けします。

Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.