• グローバルサイト

2017年3月1日

グローバルサイト最適化のポイント(5):情報設計の注意点と事例

前回まで、ユーザー体験をデザインするというお話をしました。今回は、情報設計とは具体的何をし、グローバルサイトでは特にどのような点に注意して情報設計を行なうべきかを事例とあわせてみていきたいと思います。

続きを読む

情報設計とは?

情報設計とは、様々な定義がありますが、主な意味として『ユーザー体験を踏まえて、どの情報をどのように提示させるかを設計すること』を指すといえます。

 

具体的には、以下のような作業を包括して情報設計といいます。

 

  • ターゲットユーザーの特定する
  • サイトの目的(ユーザーニーズ)の明確にする
  • 競合を調べる
  • 誰に対して、どの情報をどのように見せるか考える
  • コンテンツを洗い出してみる
  • サイト全体の構成を考える(サイトマップ)
  • 各ページの構成を考える(ナビゲーション・ワイヤーフレームの策定)

(これ以降のデザインの設計やサイト制作に使用する技術については「デザイン」の範疇になります。)

情報設計とデザインの関係性

情報設計とデザインの関係性

 

このように、一言で「情報設計」と言っても非常にその意味するところは広く、実際、情報アーキテクチャの理解と発展を促進することを目的として、非営利で活動するアメリカの国際ボランティア団体「情報アーキテクチャ研究所(Information Architecture Institute)」は情報設計について、以下のように述べています。

 

情報設計(IA) は、ユーザーエクスペリエンスデザイン(UX)の基盤を形成する。この二つは密接につながっていて、IAはUXに関わる多種多様な分野のための重要なスキルである。

 

設計段階の想定が違っていると、出来上がったデザインも情報の整理がされてないものとなり、ユーザーにとって使いづらいサイトが出来上がります。

 

グローバル展開においては、今までと違う観点を持って、サイトを展開する海外現地のニーズにあった情報設計を行なう必要があります。

 

グローバルサイトで特に注意すべき情報設計のポイント

グローバルサイトの情報設計だからと言って、先に述べたような作業内容が変わることはありません。ただし、海外向けの情報配信になる以上、特に以下のポイントについては注意が必要でしょう。

 

情報の内容、ボリューム、提示の仕方

日本語サイトの内容をそのまま多言語化していないか?

同じ内容のコンテンツでもより簡素に、またはより説明を加えて提供したほうが良い情報はないか?

 

ナビゲーション

ユーザーにとって画面遷移がしやすいナビゲーションになっているか?

 

サイトの構成、ページの配置

ユーザーがほしい情報をすぐに入手できるサイト構造、ページの配置になっているか?

 

情報設計の事例

<情報の内容、ボリューム、提示の仕方>

● マクドナルド

 

日本と海外でのマクドナルドのサイト比較

日本と海外でのマクドナルドのサイト比較(左から日本、海外サイト)

 

 

日本では、新商品のメニューや安いメニューのPRが行われているのに対し、海外では原材料への安全性をアピールするような内容のコンテンツが多く見られます。

 

 

このような違いが生じている背景の一つとして、イギリスの有名シェフ、ジェイミー・オリヴァー氏マクドナルドに対して起こした裁判の影響が考えられます。アメリカでのマクドナルドの利用者は日本に比べ約三倍に及びます。その結果、英語版コーポレートサイトのコンテンツでは、調理過程を明らかにし、自社製品の食の安全性を訴えるものが多くなっていると推測されます。

 

マクドナルド

日本:http://www.mcdonalds.co.jp/

英語圏:https://www.mcdonalds.com/us/en-us.html

 

 

<ナビゲーション>

● TATA MOTORS

以下は、欧米のサイトによく見られるフッターを利用したフッタサイトマップです。フッターにサイトマップを配置することで、ユーザーが遷移したい画面にすぐに遷移できるというユーザビリティ上のメリットがあります。

 

 

TATA

フッタにサイトマップを導入している

 

ナビゲーションと言っても実は、階層型ナビゲーションや関連ナビゲーションなど様々な種類があります。ただし、不慣れなユーザーの場合、混乱を招く場合も多々あるため、必要性を考え、現地で広く利用されている適切なナビゲーションを設置することをお勧めします。

 

TATA MORTORS: http://www.tatamotors.com/

 

 

<サイトの構成・ページの配置>

● トンボ鉛筆

最後は、日本からグローバル展開した会社、トンボ鉛筆です。ここでは、日本、USA・EU圏の3サイトを紹介します。

 

トンボ鉛筆のエリアごとのサイトの構成比較(左から日本・USA・EUサイト)

トンボ鉛筆のエリアごとのサイトの構成比較(左から日本・USA・EUサイト)

 

 

日本のサイトでは、消しゴム「mono」を始めとして一つ一つの製品がブランド化しています。そのため、製品ブランドごとのページ構成となり、それぞれのコンセプトを売り出すようなページ構成が印象的です。

 

一方、USのサイトでは、日本製の文房具のECサイトになっており、EUサイトではダイナミックに写真を配置し高級感を出しています。

 

また、日本とEUサイトではブログ更新を行なっていますが、こちらも内容が違います。イベントや新商品を紹介するスタッフブログの日本サイトに対し、EUサイトではアニメ調のイラストの描き方などを紹介し、サイト内でも日本アニメ調のイラストを使用しています。このように、コミック文化が盛んなEUでは、日本のアニメ文化をうまく生かしたブランディングをしています。

 

トンボ鉛筆

日本:http://www.tombow.com/

USA:http://tombowusa.com/

EU:https://www.tomboweurope.com/en/

 

まとめ

情報設計ができていない場合、その後に続くべき「結果が見込まれるデザイン」にたどり着けません。海外現地の文化やユーザーのニーズを把握し、「彼らにサイトで何を感じ、どう行動してほしいか」を考え、形にしていくことこそ情報設計の要といえるでしょう。

 

それでは、次回は「グローバルサイトを展開する際のロゴ」というテーマでグローバルサイトを展開する際に気をつけるべきロゴの注意点について説明していきます。

 

 

出典

・インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針. Susan Weinschenk. O’REILLY. 2012年7月.

 

・Information Architectureとは(情報設計),Webクリエイティブラボラトリー.2012年8月15日(2017-03-01)

http://www.entacl.info/2012/08/information-architecture.php

記事をたたむ

  • 最新記事
  • あなたにおすすめの記事
人気のある記事 について
グローバルサイトや多言語サイトの 運用に役立つ情報を配信しています。 大勢の外国人観光客が日本に 「来て見る」ヒントを創るメディア サイトを目指します。

キテミルの更新情報を、あなたのメールアドレスにお届けします。

Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.