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2015年6月8日

文化に合わせたライティングスタイル

国や地域ごとの文化が持つ価値観(カルチャー・バリュー)によって、コミュニケーション方法には違いがあり、それはライティングスタイルにも影響を与えると言われています。ウェブサイトを多言語化するにあたって、異なる文化的背景を持つユーザーに正しいメッセージを伝えるためには、言語をただ単に翻訳するだけではなく、文化の違いを考慮したうえで言語ごとにふさわしいライティングを行う必要があります。

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ここでは、一般的に広く知られている文化傾向の分類のひとつ、アメリカの文化人類学者エドワード・T・ホールが提唱した、ハイコンテクスト文化・ローコンテクスト文化をもとに、ライティングスタイルの違いについてご紹介します。

 

ハイコンテクスト文化・ローコンテクスト文化

「コンテクスト」とは「コミュニケーションをとるもの同士で共有されるその場の状況や関係性の認識情報」を指し、ハイコンテクスト文化では、コンテクストへの依存度が高いため、コミュニケーションにおいて、言い方、しぐさ、表情、場の状況、などの言葉以外の情報が意味合いを補完することを前提とした、婉曲的で控えめな表現が好まれると言います。「あうんの呼吸」「察し」「空気を読む」などに価値観を置く日本は、代表的なハイコンテクスト文化の国として分類されています。反対にローコンテクスト文化では、コンテクストへの依存度が低く、あくまでも言語によるコミュニケーションが重要視されるため、直接的で明確な表現が好まれると言われています。

ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化の国別分類です。
(出典: Singh and Pereira (2005), The Culturally Customized Web Site: Customizing Web Sites for the Global Marketplace.)

 

【ライティングスタイルの具体的傾向】

ハイテク文化

  • 間接的、婉曲的表現を好み、あからさまな表現を避ける。
  • 読み手との信頼関係を築くような表現を好む。
  • フォーマルなコンテンツでは、敬語、丁寧表現が多く使用される。また、人名は名字表記が多く使用され、必要に応じて役職名なども表示される。
  • 個人「I」主体よりグループ「We」主体の表現が使用される。
  • 広告においては大げさで直接的な宣伝文句は避ける。また詳細な技術情報よりも感覚に訴える表現やイメージを多く使用する。

ローコンテクスト文化

  • 直接的で分かりやすい表現を好み、あいまいな表現は避ける。
  • シンプルな表現を好み、過剰な丁寧表現は避ける傾向がある。
  • 客観的、論理的表現が好まれる。
  • フォーマルなコンテンツでは、一人称よりも、受身形などの非人称を主体とした表現が使用される。
  • 広告においては商品の情報やメリットを直接的に、時に誇張して表現する宣伝文句が多く、イメージよりも言葉による説明が多い。

(出典:Singh (2012), Localization Strategies for Global E-Business.)

 

ネイティブチェックの大切さ

ここでは一例として、ハイコンテクスト文化・ローコンテクスト文化を挙げましたが、コミュニケーション学の分野では他にもさまざまな文化の分類法が存在しており、それぞれその成否については多くの研究者が議論を続けています。また近年ではインターネットの普及に伴い、子供のころからウェブ上のコミュニケーションに慣れ親しんだ若者世代の間には、国境をまたいだ共通の「コンテクスト」が育成されつつあるとも言われています。文化や言語は日々変化していくものであり、一元的には語れません。多言語ウェブサイトのコンテンツを適切にユーザーに伝えるためには、こういった文化の違いがライティングに与える影響を考慮したうえで、ターゲットユーザーに届く言葉で翻訳・ライティングを行うこと、さらには、現地の文化・表現に精通したネイティブによるライティングチェックを行うこと、これらが大変重要と言えるでしょう。

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